「コロナ熱中症」にご注意! その正体と対策とは?

こんにちは。Tohandsのななです。

季節が変わり、だんだん暑くなって来ました。最近では気温が30度に迫る勢いで、熱中症に注意が必要になってきます。

今現在、新型コロナウイルス感染症が蔓延しており、感染症対策をしながら過ごされている方が多いとおもいます。マスク着用、テレワークなど、日々みなさん頑張っています。しかし先日、マスク着用という感染症対策が一因で、熱中症になり救急搬送され方がいたというニュースが流れました。

感染症対策、必要だけど熱中症のリスクも上がってしまいます。そこできちんと、感染症対策をしながら、熱中症にも注意する方法をお伝えします。


1.熱中症はどうして起こるのか?

熱中症は、色々な条件の組み合わせで起こるものです。身体的なもの、環境によるもの、運動(活動)によるものの3つの要素です。この原因の組み合わせで熱中症が起こる条件ができあがります。

具体的には

身体的条件:性別 年齢 体調 暑熱順化 脱水 着衣等

環境条件:気温 湿度 暑さ指数 湿度変動

運動条件:活動量 持続時間 休息

これらの条件が組み合わさり、熱中症を発症します。

熱中症の発症は、発汗による水分、Na=塩分(ナトリウム≒塩分)の喪失、熱循環の悪化等で、体温調節機能の破綻で起こる事を覚えていてください。

今の時期に重要な条件は「暑熱順化」というものです。暑熱順化というのは簡単に言うと「暑さ慣れ」のことです。ちょうどこの季節は涼しかった時期から、急に気温が上昇することで、体温調節機能がうまく働かない、つまり「暑さ慣れ」が間に合わずに熱中症になってしまう方が多いのです。すべての人にリスクがあるのです。今の時期は危険なんです。


2.コロナ熱中症の正体とは?

「コロナ熱中症」というのは実は正確な診断名ではありません。実際は普通の熱中症なのですが、新型コロナ感染症の影響で今年は熱中症が増える可能性があります。注意喚起のためにあえてこのように名付けてみました。

コロナ対策であげられるのは、マスクの着用と外出の自粛です。この二つこそ「コロナ熱中症」が増えるであろう原因です。

 まずマスクに関してです。マスクは意外に熱がこもり、特に通気が悪い手作りマスクは熱がこもりやすいし、密着します。汗をかいても、マスクを外す行為が面倒で水分補給が遅くなってしまう事もあります。

はじめにあげたマスク着用が一因となった熱中症はこういった理由によるものです。

マスク着用の意味をしっかり理解して、着用する場面、着用しない場面を使い分けて、体温調節を助けてあげる必要があります。

マスクの着用の意味については咳エチケットの記事を以前に書いておりますので、参照ください。http://tohands-handy.com/isnt-your-cough-etiquette-wrong/

正しい咳エチケットをする事で、マスクをつける、つけないを意識して、体温調節も気にしていきましょう。

暑いのに、我慢して着用するのは間違いです。暑いと感じることは身体が出しているSOS。そのSOSを受け取り、対策を立ててあげなければ身体は悲鳴を上げてしまいます。

 次に外出の自粛についてです。冒頭でご説明した暑熱順化がキーワードです。3月下旬ごろからの外出の自粛要請やテレワークによって、多くの方が外出の機会が減っています。そのため暑熱順化つまり「暑さ慣れ」が例年以上に進んでいないのです。

 そして、新型コロナウイルスで色々なことを制限され、仕事環境も変化し、感染症対策にも気をつけなければならない環境もストレスです。知らないうちに疲労も蓄積し、体力が落ちている事も熱中症になってしまう要因の一つです。

またテレワークも落とし穴です。

自宅にいれば熱中症にはかからないと思っていませんか?

最近の熱中症の発生場所で住宅が意外に多いのです。

2013年の救急搬送の内訳では、自宅(施設含む)38.7%でした。そのうち高齢者は26.7%ではありますが、高齢者ではない方も屋内で熱中症になっているのが分かります。

テレワークになり、仕事に夢中になって、室内温度の上昇にも気づかず、水分もとらない生活はしていませんか?その油断が熱中症を引き起こすのです。屋内の熱中症、気付かないうちになってる可能性もあるんです。

テレワークと上手に付き合い、体調を崩さないようにしなければいけません。

テレワークに関して、弊社の産業医堤が書いた『テレワークを元気に続ける3つの秘訣』も合わせて参照してみてください。

では、このような状況で、どのような対策をすればいいのか考えていきましょう。


3.『屋内』の熱中症の注意点と対策

①こまめな水分補給

仕事に熱中してしまうと、ついつい水分をとることを忘れてしまいます。

身体は体重の60%が水分でできていると言われており、汗や尿で失われた水分は、きちんと補充しなければなりません。

意識して水分をとるようにしましょう。

この時Na(塩分)も補給が必要なので、水分に加えて、塩分も摂取しましょう。経口補水液が一番おすすめです。スポーツドリンクもNaが入っていて悪くないのですが、飲みすぎると糖分の過剰摂取になってしまいます

テレワークで運動量が低下しているところに、糖分の過剰摂取は、肥満の素になってしまうので注意が必要です。

②部屋の温度は適切か

温度湿度計を置いて、室温を観察するのもいいでしょう。適温は気温が25℃で、湿度48%以上60%未満の状態。それより高いようならば、換気をする、エアコンをつけるなどの、温度湿度管理をしていきます。

暑いなと感じ、汗をかいたら、水分の他に、塩分も摂取してください。

水分とNa(塩分)のバランスが崩れることで、熱中症になるのです。

また上記でも咳エチケットについて触れましたが、室内で自分一人の時は、マスクは不要です。ご家族と一緒ならば、咳をしていなければ基本的には不要なので、咳エチケットの徹底をお願いします。

マスクを使用する事で、体温が上昇する事もあるのでご注意をお願いします。

③規則正しい生活

テレワークになり時間を気にせず仕事をしてしまう方も多いのではないでしょうか。

出勤しているときは、朝早く起き、朝食を食べ、着替えをし、外を歩く。

何気なくやっている事が、実は体内時計をリセットしてくれ、身体の調子を整えていたのです。

テレワークが中心となり、なかなか外にも出られない環境では、不規則な生活になりがちです。

朝日光を浴び、朝食を食べ、仕事も決まった時間に終了するように心がけていただきたい。規則正しい生活は、自律神経を整えてくれる効果があるのです身体の調子を整える効果があるのです。

4.『屋外』の熱中症の注意点と対策

①マスクの着脱

マスクをしながら、熱中症対策をする。これが一番の課題です。マスクは咳エチケットをしていただき、適宜暑いと感じたら外してください。

②日差し対策

例年言われていますが、日差し対策は必要です。日傘、帽子、暑くなったら無理しないで日陰や涼しい屋内で休む。外で働かれている方は、炎天下での作業は本当に大変です。身体がつらくなったら、無理せず日陰や涼しい屋内で休んでください。命より大切な仕事はありません。

③水分塩分補給

外の気温が上昇すれば、必ず汗をかきます。汗は水分、塩分を身体の外に出してしまうので、身体の内側は不足してしまいます。すなわち、水分とNa(塩分)のバランスが崩れるのです。

汗をかいたら、必ず水分とNa(塩分)の補給をしてください。

経口補水液、塩飴、塩タブレットなどを活用していただき、Na(塩分)補給をお願いします。

スポーツドリンクを飲んでいても、Na(塩分)が足りなく、回復できない場合もあります。汗の量が多いと、Na(塩分)の喪失が多く、スポーツドリンクのNa量では追いつかないことがあります。スポーツドリンクは万能ではないことも知っておいてください。最も効率よく、水分・Na(塩分)を補給する方法は「経口補水液」と呼ばれるものです。薬局などで売っているので見てみるといいでしょう。

すでに足がけいれんしてしまったり、手足のしびれ、頭痛などの症状があるときは、経口補水液を飲むと、身体に吸収されやすく、回復が早くなります。そのときはすでに熱中症になっている可能性があるので、早く涼しいところで休んでいただき、首や脇をアイスノンや氷で冷やすことが重要です。早く体温を下げる事が、重症化を防ぎます。

環境省から、熱中症に関する予防情報が出ているので、合わせてご参照ください。

https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_checksheet.php


5.まとめ

屋内、屋外でも、熱中症になる可能性はあり、感染症対策を合わせて行うと、一気にハードルが上がるような気がしてしまいます。

しかし、ポイントを押さえると、そこまで難しくないことが分かりますので、ぜひ実践していただきたいです。

ではここまでのまとめをします。

① 感染症予防しながら熱中症対策をとるにはマスクの使用理由を正しく理解して、マスクをつける 場面と、つけない場面を使い分け、体温調節を適切に行う。

② 屋内でも熱中症になるので対策を怠らない

③ 屋外で活動するときは、十分に水分塩分をとり、身体を冷やすようにする。

 マスクは適宜外して放熱をする。

④ 水分補給、Na(塩分)補給、体温調節。これが熱中症にならないための鍵。

感染症対策をしながら、熱中症を防ぐ方法、参考になりましたでしょうか。

熱中症にもならず、新型コロナウイルスにも感染せず、自分の身体を自分で守って行きましょう。


頑張った事は必ず自分に返ってきます。

先が見えず不安な事が多いと思いますが、一緒に頑張っていきましょう。