社員が鬱かもしれないと思ったら

こんにちは。Tohandsのななです。

今まで経験したことがないコロナウイルスの状況下。社員の皆様の中には、ストレスを感じる事が多くあるのではないでしょうか。

コロナ鬱という言葉もしばしば耳にします。厚生労働省も、コロナ鬱に関して、調査することが報道されました。鬱が今注目されているのです。

 気分が落ち込んだり、やる気が出なかったり、いつもできていることができなくなったり。自分が鬱なのではないかと、社員さんの中に不安になっている方がいるかもしれません。病院を受診しようか、悩まれることもあるかもしれません。

本人が気づかなくても、他の社員の方がメンタル不調を感じた場合、どのようにアプローチしたらいいか、判断に迷うことがあるかもしれません。

メンタル不調は、早期発見、早期対応が鍵となります。本記事を参考にしていただき、社員の皆様のメンタル不調の早期発見・早期対応できる様に、なればと思います。

1,メンタル不調って何だろう

メンタル不調とは…

厚生労働省による『労働者の心の健康保持増進のための方針』によると、「精神及び行動の障害に分類される精神障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、労働者の心身の健康、社会生活及び生活の質に影響を与える可能性のある精神的及び行動上の問題を幅広く含むもの」と定義されています。

具体的には

・やる気が出ない、食欲がない、眠れない

・いつもできていることができない、楽しくない、服装が極端に変化する、違和感を周囲が感じる

・頭痛、倦怠感、耳鳴り、めまい、胃腸症状、睡眠障害などの身体症状

これらが普段よりも強く症状が出る場合、また症状が2週間以上続くようならば、メンタル不調の可能性があります。

2,早期発見、早期対応はなぜ必要?

 鬱の初期対応が早い場合、受診しても休職には至らず、回復する事が多くあります。発見が遅く、対応が遅くなることで、休職に至ってしまった場合、会社が負担するコストも発生してしまい、周囲の社員への負担も増加。結果的に会社のパフォーマンス低下を招いてしまいます。

 周囲の社員の負担が多くなってしまったら、他の社員の疲労の蓄積、不満が増加し、新たなメンタル不調者を生んだり、仕事への不満が蓄積したら、会社への不満へとつながります。意欲の減退、反発心など、負のスパイラルに陥ることは、容易に想像がつきます。

 この負の連鎖を断ち切るのには、普段から経営者のメンタル不調に対する対応方法を意識していただくことが重要になります。そのため、メンタル不調の管理はおろそかにできないのです。小さい火種は、大きくなると炎上し、取り返しのつかない事になる可能性があるからです。

だからこそ、メンタル不調の早期発見、早期対応が必要なのです。

3,なぜ早く受診ができないのか?

ではなぜ、早く対応するための受診ができないのでしょう。

理由はいくつか考えられます。

①社員自身が鬱とは気がついていない

②受診するべきか判断がつかない(社員が受診を迷っていても、後押しする根拠が示せない)

③受診を勧めても受診したがらない

主に考えられるのは、上記ではないでしょうか。

①の場合、周囲の人はメンタル不調に気づいているが、本人が気づかないケースです。この場合、本人の自尊心を傷つけず、受診につなげていく事が大切です。上司のみなさんが、しっかりとした根拠を持って本人と向き合わなければなりません。

②③も同様です。しっかりとした根拠を示すことで、受診につなげることができます。

このとき1,でもお話しましたが、上記の具体的内容が2週間以上続くようならば、メンタル不調の可能性が高いのです。このことについて社員さんとお話していただき、受診につなげていく事が重要になります。

4,こんな状況になったら受診を考えよう

 弊社の産業医堤@djbboytt、榎本@EJ_tohandsが監修しました、30秒セルフチェックシートがあります。

社員のメンタル不調を疑うとき、ここ2週間の様子を振り返り、下記のチェックシートを社員に渡して記入して貰い、記入した内容が受診目安判断に該当する場合は、メンタルクリニックの受診指示を検討しましょう。

 

メンタル不調は、早期発見、早期対応がとても大切になります。早く受診することで、大切な社員の不要な休職を防いだり、社員のパフォーマンスの低下を最小限にとどめる事ができます。早期発見、早期対応。これが肝になるのです。

5、経営者に知って欲しいこと

メンタル不調は身近になりつつありますが、実際自分の会社でメンタル不調者が出なければ、実感がわかないと思います。しかし一旦メンタル不調者が出てしまった場合、労務担当者、経営者を巻き込み、大変な労力と時間が必要になって解決していかなければなりません。自殺者が出ると、安全配慮義務違反になる可能性も出てきてしまい、訴訟問題、保証など抱え、問題は大きくなってしまいます。そうならないように意識を向けることが必要なのです。

会社でメンタル不調者が出た場合の対応フローをあらかじめ作成しておくのもいいでしょう。可視化できる対応フローを作成する事で、だれでも同じ対応ができる様になります。有事に考えるのでは遅いのです。経営者のみなさんにぜひ考えていただきたいのは、目先の事ではなく、先を見通し危険予測できるフローを、会社で作成していただきたい。そうすることで、初期対応が迅速に行う事ができるのです。

6,まとめ

メンタル不調はだれでもなる可能性があります。

強いストレスを抱え、自分では気づかないうちに頑張りすぎる。でも自分は大丈夫と思ってしまう。メンタル不調になっても、抱え込んで誰にも相談できずにいる社員さんが、きっといらっしゃるのではないかと思います。

社員の方で、受診に悩む状況になったとき、ここ2週間の行動を振り返り、早い段階でメンタルクリニックの受診を検討してください。

また会社では、誰が対応しても同じ対応ができる、可視化できるフローを作成していただき、初期対応を迅速行えるシステムを検討していただきたいと思います。

メンタル不調は、早期発見、早期対応が大切です

大切な社員を守る事が、会社を守る事につながるのではないでしょうか。