【危険】産業医がオンライン飲み会に警鐘!気を付ける4つのルール

みなさん、こんにちは!

産業医の榎本純也(@EJ_tohands)です。

さて、世の中はコロナウイルス感染症による緊急事態宣言のため閑散としております。いわゆる3密を防ぐためにテレワークやオンライン飲み会などが推奨されております。

メンタルヘルスにおけるテレワークの一番のネックはやはり寂しいことだと思われます。そのためオンライン飲み会は、寂しさを紛らすことにおいて一定の効果が期待できます。

そのため世の中ではオンライン飲み会が多発しているようです。しかし、このオンライン飲み会、やり方を間違えてしまうと無益どころか途端に有害となってしまいます。

今日はオンライン飲み会の正しい方法をその道15年の筆者が語ります。

オンライン飲み会の発祥~ブーム到来まで

と言っても、公式な情報があるわけではないのであくまでネット情報や僕の周りの人の話を集約させたにすぎません。ご注意を。

古くはお酒を飲みながら電話越しに語り合うという文化が僕の父親世代にはあったようです。ということは発祥は電話の起源と同程度ということでしょうか。

その後、 2005年ごろにSkypeがシェアを占めてきたころから通称「Skype飲み」という言葉が、周りで聞かれるようになりました。

今では「PCの画面中央に向かって乾杯じゃないよね~、PCのカメラを見つめながらやや下あたりを狙うんだよね~」

のような通ぶった会話を目にしますが、当時はPCにカメラが内蔵されていなかったため、Webカメラに向かって乾杯をするというのが定番でした。

圧倒的マイノリティだった我々。つい1カ月半前ですら

「コロナ流行ってきたし歓迎会はZoom飲みにしましょうよ~」

と提案しても一蹴されるほどでした。

わずか1カ月で世間に受け入れられてしまったオンライン飲み会。

オンライン飲み会が社会に広く受け入れられたのは嬉しくもありますが、このような急激なパラダイムシフトは注意を要します。

オンライン飲み会の目的の推移

旧オンライン飲み会の目的は

a)参加することが情報取得において有利に働く

b)プロジェクトを立ち上げるために広くいろんな人の意見を聞く

c)有識者同士を引き合わせる

といったところでしょうか。

端的に言うと、お酒を飲むことはあんまり重要じゃないけれど、リアルな場で話し合うのはコストヘビーであるためWeb上で話合い、仕事感を出さないため(少しくだけさせるため)にアルコールを摂取していた、という代物です。

対してリアル飲み会の目的は

①場の空気を楽しむ

②ゴシップを話す

③参加しなければ仲間外れになる

④みんなでワイワイする

ということが目的となりがちでした。

それが現在コロナ禍であるため

⑤居酒屋に行けないから

⑥人と話すことが少なくなり寂しいから

⑦世間でオンライン飲み会が流行っているから

という背景のもと、元々のリアル飲み会の目的がそのまま現行オンライン飲み会の目的となっております。

要するに「飲み会自体が目的」となるようです。

ここで強調したいのはもともと旧オンライン飲み会はリアル飲み会を代用するものではなかった点です。同様に、コロナウイルスが作りだした現行オンライン飲み会でもリアル飲み会を完全に代用するのは難しいのではないか、と考えます。

オンライン飲み会の落とし穴

こうして出来上がった現行のオンライン飲み会。話題性もあり各種SNSで楽しそうな写真がアップされております。

実際にやってみると、十分楽しめるということがわかるかと思います。また当時よりも通信技術も発達したためちょっとしたゲームなども難なくできます。

さてさて、現行のオンライン飲み会は目的の変更や急速すぎた普及のため以下のような問題が顕在化してきました。

①飲み会の長時間化

 リアル飲み会と比べるとどうしても一人あたりの話す時間が短くなってしまいます。そのため「たくさん話をしてストレス解消をすること」が目的であれば当然満たされにくく、どうしても長時間化しがちです。また、終電を気にしなくてよいことなども拍車をかけてしまいます。

②普段飲み会しない人が飲みすぎてしまう

 車文化圏の方がオンライン飲み会では飲酒運転を気にしなくてよいという抑圧から解放され、つい羽目を外して飲みすぎてしまう傾向にあるようです。

③不参加や退室を言い出しにくい

 オンライン飲み会は参加のハードルが低いため、逆に参加できない旨を言い出しづらい欠点があります。みんなが同条件であることはありません。在宅勤務をなんとかこなしつつ仕事が終われば大量の家事をしなければならない、という方はたくさんいます。

④アルコールによる健康被害

 これは何もオンラインに限ったことではありませんが手軽に始められる点、長時間化してしまう点、お店で飲むよりお酒代が安いなどよりオンライン飲み会ではアルコール摂取量が増えてしまう傾向にあるようです。

アルコールが与える健康被害については保健師の記事を参考にしてください。要点をかいつまむと、

  • 昔(1980年頃)はお酒の消費量と健康リスクはJカーブを描く (=つまり最適な量が存在する)と考えられていた
  • 肝臓疾患・膵臓疾患はもとより心血管イベントは飲酒量が増えるとリスクが高まる
  • ストレスに対しても飲酒は増悪因子となる
  • 最近では少量でも健康リスクは増すかもしれない

研究がたくさんありすぎて、一概には言いにくいのですが、現実問題

「健康のために」

少量の飲酒を飲むというのはあまり正しくないのかもしれません。

どちらかというと多飲をしないように少量にしなさい、と言うときのexcuse目的かもしれません。

ただし、コロナ禍におけるアルコールの研究というものはそもそもないので、ストレスにおけるエビデンスなどは一概に何とも言えないかもしれない。

というわけで僕は産業医として少量ならお酒は良い、というスタンスにしております。そうでないと在宅勤務不慣れな方は辛いと思われます。

オンライン飲み会を楽しむ4つのルール

①飲み会の目的をはっきりさせる

この飲み会は何故行うのか。ブレスト目的なのか。それとも新人のお披露目会なのか、はたまた何となくみんなで顔合わせしたい(話したい)のか。

②目的に合わせて人数を調整する

情報取得が目的であれば、情報の不均一を起こさないためにもチームは小分けにするべきではありません。ただし、騒ぐことにおける満足感は諦めるべきですし、本当にアルコール摂取が必要なのかは各々が考えるべきです。

一方、話すことにおけるストレス解消が目的であれば4人程度毎になるように調整するのがよいでしょう。1時間ごとにメンバーをシャッフルするなどもよいでしょう。

③終了のルールを決める

 お酒を飲んでも冷静に中断できる人を幹事としてあらかじめ決めておくのがよいです。AIスピーカー等を駆使してタイム管理を行うもよし、蛍の光を流すもよし。半分の時間が経過した時に片足で立つ、少し難しめの計算をする。など酔い具合を確かめるなども合わせるとよいでしょう。また、退室するときは断る必要がない、とか幹事が30分毎に退室したい人を確認するなどもよいでしょう。

④参加やアルコールは強要しない

 繰り返しになりますが、やはりブームによるオンライン飲み会という側面が色濃いため、それぞれの事情を鑑みるべきです。ただでさえストレス下なのに飲み会までストレスになったのでは本も子もありません。

飲みすぎてしまうあなたのために

 前項まで組織やチーム全体におけるオンライン飲み会で配慮する点を説明してきました。上記を守れば飲み会のマナーや人権は最低限の守ることができ、不満をもつ社員も少なくなると思われます。

 ただし、上記でも飲みすぎてしまう方は個別に対策をとる必要があるようです。こちらはまたの機会に書かせていただきますね。

オンライン飲み会のルール、個人編も乞うご期待!

新型コロナウイルス検査をしない日本は本当に異常なのか?

みなさん、こんにちは!
エンジニア産業医の榎本純也(@EJ_tohands)です。

 日本は検査しなすぎで異常だとBloombergさんに叩かれてましたねぇ。確かに周囲に合わせることが好きな日本人にもかかわらず、諸外国より圧倒的に数は少なく指摘はごもっともな点ではあります。

 さてさて、原点に立ち戻って、検査をする意義を専門用語を完全に抜いて非医療者に向けて説明いたします。

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産業医から見たエンジニアのうつ病対策

みなさん、こんにちは!
産業医の榎本純也(@EJ_appdate)です。

 企業で働くエンジニアの従業員さんがメンタル不調(イメージしやすくするため以下うつ病という単語に置き換えます)を起こしてしまい、困った経験はないでしょうか?

 エンジニアさんと一言で言っても業務内容は企業により多種多様です。しかし、その中でも共通して言えることは多くあります。今回の記事は、企業の労務担当者さんに向けて、エンジニアさんが うつ病 を起こす成因と事例を交えて紹介することで、エンジニアのうつ病を未然に防ぐことを目標といたします。

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