こんにちは。Tohandsのななです。
年度が替わり、春の健康診断の季節になりました。
社員のみなさんは、ちゃんと健康診断を受けていますか?
健康診断を受けるのがめんどくさいと考えているあなた。
健康診断を受けないともったいない!
なぜなら、
会社が費用を出してくれ、
身体の悪いところがないかチェックしてくれる
のです。
自分で人間ドックに行ったのなら、
どのくらいの費用がかかるか知っていますか?
保険診療ではないので、全額自費負担。
検査項目にもよりますが、平均相場はなんと
¥40,000-健康診断とほぼ同じ内容でこの値段です。
それならば、健康診断をうけて、
身体に悪いところはないか検査した方がいいですよね。
ご存じとは思いますが、健康診断を受けるのは労働者の義務なのです。
「労働安全衛生法 第66条事業主は労働者に対して、医師による健康診断を実施しなければならない。(中略)労働者は、事業主が行う健康診断を受診しなければならない。」
つまり、
『労働者は健康診断を受ける義務がある。』と法律で示されています。
罰則はありませんが、そこまで国は個人の健康がとても重要だと考えています。
国も本気を出して健康維持が大切だと言っているので、
当事者が自分の身体のメンテナンスを怠っては、身体が悲しみます。
自分の身体の不調がないか、自分自身も気にしてあげましょう。
今回は、健康診断で何を見ていて、その結果を健康維持にどのように生かして行くかをお話します。
1.健康診断って何を見ているの?
健康診断では主に、生活習慣や、血液、腎臓、肝臓などに病気が隠れていないかを見ています。
その中でも生活習慣病は、深刻な問題です。
最近では、大阪大学の研究チームがゲノム解析で高血圧や肥満が、人間の寿命に大きく関わる因子であると発表がありました。
普段の生活の中に、健康でいるための要因(要素)があるのです。
生活習慣病は、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、
その発症・進行に関与する疾患群」のことです。
つまり、生活習慣が悪いと、発症、悪化させてしまうのが、生活習慣病です。
現在、生活習慣病で亡くなる人は、全体の死亡人数の1/3を占めています。
『自分は病気にならない』
と思っていると思いますが、人は確実に年をとり、年々衰えていきます。
病気はそこにつけ込んで、じわりじわりを身体を痛めていきます。
飲酒、喫煙、暴食は、いずれつけが回ってくる病気のもと(因子)なのです。
生活習慣を見直せば、健康寿命が長くなりまだまだ頑張れます。
病気にかかるまえに身体のメンテナンスをする事で、病気の予防や病気にかからない身体作りをすることができます。
他にも、早期の癌などを健康診断で見つけることができれば、命を守ることが可能になります。
その役割を担っているのが健康診断です。
人は身体の調子が悪くならないと、病院に行ったり、検査したりしませんよね?
調子が悪いときにはもうすでに、手遅れといった病気だってあるのです。
健康な時から身体に気を遣ってあげることが必要なのです。
2.検査内容って何を診ているの?
健康診断で行っている検査内容は、法律で決まっています。
(定期的に行う健康診断項目 年1回)
- 既往歴および業務歴の調査
- 自覚症状および他覚症状の有無の検査
- 身長、体重、腹囲、視力および聴力の検査
- 胸部エックス線検査
- 血圧の測定
- 貧血検査
- 肝機能検査
- 血中脂質検査
- 血糖検査
- 尿検査(尿中の糖、タンパク)
- 心電図検査
上記の検査には、意味がちゃんとあります。
身長、体重、腹囲 BMI(Body Mass Index:ボディーマス指数)
➡肥満度を計算し、生活習慣病のリスクを診ています。太りすぎではないかチェックしています。
胸部エックス線検査
➡主に結核の有無。その他タバコによる肺の病気、その他の肺の異常の有無。もともと結核の感染拡大予防を主眼にした検査ですが、付随して癌などが見つかる場合があります。
血圧の測定
➡高血圧 その他の血圧異常
採血検査
➡身体のバロメーターで、採血結果から色々な身体の状態を教えてくれます。肝機能障害、糖尿病、高脂血症、貧血、血液の病気などの、身体の外から見えない部分を教えてくれる優れた検査です。
尿検査
➡腎臓、尿管、膀胱に異常がないか教えてくれます。尿の異常で深刻な腎臓の病気、がん、糖尿など、色々な事を教えてくれます。
心電図
➡心臓の悪いところが分かります。今すぐ治療しなくてはいけないものも発見します。
健康診断では、様々な検査から私たちの身体の状態を診ています。
病気にならないと思っているのは自分だけで、長年の蓄積は身体を確実にむしばんでいます。
それを早く見つけ、対処する事で、私たちの身体は健康を維持する事ができるようになります。
健康診断の役割、お分かりいただけたでしょうか。
3.健康診断で悪いところを指摘されたら?
たくさんの項目を検査しますが、その中の項目で異常を教えてくれる結果がきたら、迷わず二次検診を受診してください。
『自分だけは大丈夫』ではなく、大丈夫じゃない事もあるんですよ。
2次検診で、重大な病気が見つかる事もあります。
例えば、
『採血で、血糖値が高い。尿検査で尿糖が出ている。』
という結果が来たとします。
何も症状がなく、困っている事がなければ、きっと病院には行かない人の方も多いでしょう。
そこには落とし穴が隠れています。
これは『糖尿病の可能性が高いですよ。』いう意味。
糖尿病は、膵臓から分泌治されるホルモンの『インスリン』が十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。
インスリンは血糖を一定の範囲におさめる働きを担っていて、とても大切なホルモンです。
血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気(糖尿病の慢性合併症)につながります。
また、著しく高い血糖は、それだけで昏睡(こんすい)などをおこすことがあります(糖尿病の急性合併症)。
糖尿病の怖いところは全く自覚症状がないことです。
そのため、病気を軽く考えて治療しなかったり、健康診断で指摘されても、受診しない人が多いのです。
上記でも話しましたが、糖尿病は長い年月をかけて、ゆっくり身体をむしばんでいきます。症状が出た頃には、どうしようもない状態になってしまい、人工透析、足の切断、心筋梗塞、脳梗塞など、身体の不自由な状態になることが多くあります。
そんな患者さんを、私はたくさん看てきました。
『まさかこんなことになるなんて、思っていなかったよ。』
糖尿病が原因で、人工透析をされている患者さんの言葉です。
週3回、どんなに体調が悪くても、行きたくなくても、お正月でも透析に行かなければなりません。厳しい水分制限、食事制限があり、たくさんの薬を飲んで、自分の体調管理をしていきます。
厳しい制限をして頑張っていても、透析による合併症が起こってしまうこともあるのです。
それでも、透析はやり続けなければいけません。生きていかなければいけないのです。
病院にいるとたくさんの病気の方と出会います。
病院ですから、病気になった人と出会うのは当たり前ですが、
みなさん口々に、『健康って大事だよね。』と話されます。
病気になって初めて感じる健康の大切さ。
私はこうやって文章を書いて、みなさんにお話しする事しかできませんが、
周りの患者さんの気づきを、できるだけみなさんの健康へ活かして行きたいと思うのです。
健康診断で異常を指摘されたら、必ず2次検診に行きましょう。
たとえ心配ないと2次検診で言われても、病気がなかったという事実を証明したのだ思ってもらえたらうれしいです。
それだけで、2次検診を受けた価値があると、私は思うのです。
4.健康診断を受けて、異常があったら、2次検診を受診しよう!
今までたくさんお話しましたが、おさらいをしましょう。
- 健康診断の受診は法律で決められた、労働者の義務です。必ず受診して、身体の悪いところをチェックしましょう。
- もし健康診断で異常値が出たら、2次検診を受診しましょう。見えなかった病気が、見つかるかもしれません。
この2点が今日お伝えしたかった事です。
自分の身体は、自分がよく知ってると思いがちですが、健康診断は確実に、今の身体の状態を教えてくれます。
上手に健康診断を生かして、自分の身体のメンテナンスをしていきましょう。健康は自分でつかみ取るものかもしれません。
春の健康診断、必ず受診しましょうね。