怖がらないで!コロナ鬱は意外に多くないのです

こんにちは。Tohandsのななです。

最近メディアでは、コロナ鬱というワードがよく出てきます。

コロナウィルスの蔓延で、先行きが見えない、生活環境が急激に変わって、不安に思う人も少なくはない。

企業の人事担当者様は気が気ではありません。緊急事態宣言が解除になり、経済活動が再開し仕事も増えていく。メンタル不調者が増えるのではないかと不安になりますよね。リモートワーク中心から、リモートワーク+出社も合わせておこなうなど、会社のあり方自体に変化が起こり、その変容に対応するのも大変ではないでしょうか。

 しかし、コロナや、コロナが関連した生活環境の変化は、確かに不安だけれど、メンタル不調者が急激に増加してるのかは、正しく見極めなければいけません。

一緒に情報を整理していきましょう。

1.コロナ鬱はどうして起こる?

そもそもコロナ鬱とは何でしょう。

「コロナ鬱」は正式な医学用語ではなく、メディア用語です。明確な定義はなく、

コロナへの不安、コロナによる生活、環境への変化。コロナによる先行きの不安が大きく影響してメンタル不調になることの総称として使われているようです。

メンタル不調の原因としてあげられているのが、

・情報量の多さ➡毎日たくさんのコロナのニュースが流れて、不安や焦りを生む。結果不眠症状や心が落ち着かない。

・先行きの不安➡自分がコロナになったらどうしよう、仕事がなどなくなったらどうしようという不安。

・生活習慣の乱れ➡テレワークや外出自粛により、活動量が低下してしまい、メンタル不調になりやすい環境。

 確かに、生活環境ががらりと変わったり、今まで気にしていなかった外出も、手洗い、マスク、密など、いろいろ気にかけて外出しなければなりません。

どんなに今までの環境が良かったのかと、思うと思います。

もちろん、コロナウイルスへの不安でつらい思いをされている方も大勢いらっしゃいます。しかしコロナウイルスへの不安だけが原因で、心療内科を受診している人は増えていない様なのです。(もっとも外出などを控える中で受診自体をため立ってしまう人も多いかもしれませんが)

コロナウイルスも一因だけれど、他の要因(ストレス)も合わさって、メンタル不調になっている人の方が多い。

 勤務スタイルの変化や、テレワークが急に導入になり、環境の変化が大きかった企業の方々。環境ががらりと変わり、実際、かなりのストレスだったのではないかと推測できます。

弊社の産業医が企業聞き取りをしてみると、確かに不調者は普段よりも多い印象があるものの、メディアで騒がれているほどではなさそうです。

実はテレワークも成功している企業が多い様で

・なれるまでに時間はかかったが、なれると快適。

・通勤時間がなくて、ストレス減っている。

・対人ストレスも減ってる。

と言う声が聞かれます。

会社に通勤したり、会社で仕事をしている時のストレスから解放され、テレワークの方が合っているという人もいます。新規の病休者は普段よりは目立つものの、メディアが伝えているほど多くない印象です。

もっとも、今後の世の中の動きは不透明であり、正確な統計もまだないのが現状です。

テレワーク主体になり不調者が潜在化してしまっている可能性もあるので、注意深く対策していくは必要です。

2.これからのメンタル不調になる、不安要素はなんだろう

 まだ感染が落ち着かない現在。新しいワクチンが開発されなければ、状況は変わらない事が推測されます。それにはまだまだ時間がかかる。これからの生活スタイルが変化していく可能性があります。

コロナウイルスと共に生活していく環境へシフトしていきます。

では、これからの生活環境で、何がメンタル不調の不安要素に上がるのでしょうか。

・コロナ感染の不安がありながらも通勤時間がまた発生

・対人関係のストレス➡(テレワークでは1人作業だったが、会社に行けば、対人関係が発生する。)

・今までの生活からの変容➡(活動自粛から、再開へ。在宅workから出社スタイルへ。)

・一方でテレワークが残る部分もある

 急激に社会生活が変わりますが、コロナが発生する以前と同じ生活スタイルではなく、コロナと共存しながらの生活スタイルが求められるようになります。感染対策と共に生活するスタイルの定着です。

環境がまた変わり、今まで回避してきたストレスが、またかかることでのメンタル不調に注意しなければなりません。

コロナウイルスと言うより、

『社会生活の変容がストレスになり、メンタル不調を招いてしまうのではないか。』

これが不安要素になるのです。

3.どう対処する?メンタル不調

対応する方法は一緒です。人事担当と産業医、タッグを組んで、早期発見、早期介入をしていきます。

今までやってきたスキルを生かし、早く対応する事で、休職者を未然に防ぎ、離職者を減らしていきます。

ここで気にかけていただきたい事は、コロナウイルスが原因のメンタル不調ではなく、コロナウイルスも一因のメンタル不調が起こる可能性があるという事です。

原因の可能性が広がることを認識しておく必要があります。

企業に義務づけられているストレスチェック等を活用し、産業医と密に連携して、対策を考えていきましょう。

4.まとめ

「コロナ鬱」はメディアが伝えているより多くはないようなのです。

経済活動が本格的に再開して、メンタル不調になった人がいたとしても、今までと同じ対応で大丈夫。今までの経験をいかして、人事担当の方は対応していきましょう。

産業医と密に連携し、早期発見、早期介入を目指し、早めの対策を考えていきます。

もし、メンタル不調の方がいるときは、受診も考え、産業医に相談。医療機関の受診も検討していきます。

またテレワークも行っている会社ならば不調者が潜在化しないようにストレスチェックや産業医・保健師による研修や全員面談などを活用をしていきましょう。

生活環境が大きく変わる今、心のバランスを保つ事は大変です。
メンタル不調に早く気づく。そのような取り組みが必要となって来ています。

余談ではございますが、弊社産業医 堤が講演します。

メンタルヘルスに関して、企業様に少しでも役立つ情報をお伝えできたらと思います。
たくさんの企業様が来ていただける講演会、興味がありましたらぜひ参加いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
https://t.co/kAzKsCvvZg

厚労省・内閣府の推進事業の一環です。こちらのセミナー、かなりご好評いただいております。 先週の段階で60名近い方にご応募いただいておりました。ご参加下さるとうれしいです。スタートアップに限らず、コロナ下の環境変化でのメンタルヘルスの予防から対応まで幅広くお伝えします!

堤 多可弘さんの投稿 2020年8月14日金曜日